お砂糖コラム1 砂糖の原料

アイシングクッキーマイスター資格取得講座の勉強をし始めたあなたに、全10回に渡りお砂糖の豆知識コラムをお送りします。
これによりアイシングクッキーには特に欠かせない材料である砂糖のいろんな姿が見えてくるでしょう。

このような知識も、これから色々な活動をするあなたの力になっていきます。
どうぞ楽しみながら学習を進めて頂ければ幸いです。

【 お砂糖コラム 1 砂糖の原料 】

世界で生産される砂糖の主原料に、「サトウキビ」と「甜菜(てんさい)」があります。
これら2つの作物からは、それぞれ7:3ほどの割合で、砂糖が作られています。

サトウキビは、甘蔗「(かんしょ・かんしゃ)」ともいいます。
同じく「かんしょ」と読む「甘藷」の方はサツマイモのことで、少々まぎらわしいためあまりこの名前は用いられていないようです。
調査機関のデータなどでは、「かんしゃ」と書かれていることもあります。

イネ科の植物でトウモロコシに似ており、高さは5メートル前後にもなります。
茎の部分には竹のように節がありますが、中身は空洞ではなくぎっしりと繊維が詰まっています。

その茎の部分に「ショ糖」と呼ばれる甘味成分がたっぷり含まれており、これが砂糖の原料となります。
イネ科というところからも分かるように、赤道付近の熱帯が原産の「高温多湿」な気候を好む植物です。

世界的な生産地はブラジルで、世界の生産量のおよそ1/4を占めており、2位のインドを大きく引き離しています。
以下、中国・タイ・パキスタンなどが主要生産国として続きます。(2022年現在)

サトウキビから作られる砂糖は、15世紀の大航海時代以降、「世界商品(世界で広く取引され、利益がでる商品)」として、欧米に莫大な富をもたらしました。
その富を支えていたのが、植民地に設けられたプランテーションと、そこで酷使された奴隷たちです。
サトウキビの現在の生産地は、そうした暗黒の歴史を物語っています。

一方の甜菜は、ヨーロッパやロシアなどで生産されている「ビート」のことです。
こちらはナポレオンの大陸封鎖令(1806年)がきっかけで、カリブ海からの砂糖の輸入が止まったために、その代替品として生産が広まり、品種改良が加えられたと言う「いわく」を持ちます。

大根に似ているので「砂糖大根」とも呼ばれていますが、大根の仲間ではありません。
冷涼な気候を好むので、ロシアやEU諸国などが主な生産地です。