Lesson4-1 さまざまな砂糖の種類

お菓子作りにとって重要な食材である「砂糖」。
とくにアイシングクッキーではメインの素材の1つです。

ひとくちに砂糖といっても砂糖には実にいろいろな種類があります。
製造法から、その分類を見てみましょう。

 

様々な砂糖の種類

■含蜜糖■

サトウキビなどの繊維を圧搾して取り出した液体をそのまま煮詰めて固めていった砂糖を「含蜜糖」といいます。
ショ糖の含有量はそれほど多くないのが特徴ですが、不純物も混じっています。
これにより独特の風味が生まれるのが特徴です。

この砂糖でよく知られているのが、沖縄や鹿児島名産の「黒砂糖」です。
また、独特なよい香りと味わいのある「メープルシュガー」もこの分類に属します。

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■分蜜糖■

搾り取った糖液を煮詰めてショ糖を結晶化させ、その結晶をとりだしたものを「分蜜糖」と呼びます。

ほどよいコクと風味が特徴で、この分類の代表は「和三盆」です。
粗糖に少量の水を加え、それを手で力強く練り上げ、さらに麻の袋に入れて糖液を搾り取るという非常に手間のかかる作業を何度も繰り返して作られます。
この複雑な作業により、ショ糖の結晶がごく微細なものとなり、なめらかな口当たりと上品な風味を生み出します。
江戸時代から生産が始まり現代に至る、日本の伝統的な砂糖です。
徳島や香川で製造され、和菓子の高級素材として用いられています。

 

■ざらめ糖■

サトウキビなどから作られた原料糖を溶かして、清浄・脱色・ろ過という過程を経てつくられる結晶状の砂糖です。
不純物を取り除いた「ファインリカー」という液体から精製されます。
お菓子作り、特に洋菓子作りに用いられるのがこの分類に属する「グラニュー糖」です。

純度が高いため安定性があり、湿気を吸いにくいという特徴があります。

■車糖(くるまとう)■

ざらめ糖と同様に「ファインリカー」から作られますが、ざらめ糖よりもさらに結晶が細かい砂糖です。
仕上げの段階で「転化糖」という果糖とブドウ糖の混合物を添加していますので、濃厚な甘味と吸湿性を持っています。
一般によく利用される「白砂糖」がこの車糖です。

添加された「転化糖」の効果によるしっとりとした風味があるので和菓子にも用いられます。

「中白糖」は三~四番、「三温糖」は五番糖として製造されたものです。
これらはファインリカーを繰り返し煮詰めて結晶化していくため、熱によって少しずつカラメル化が生じ、うすい茶色に色づきます。

なお、「番糖」を簡単に説明すると、「煎糖した回数」になります。

砂糖の原料を結晶化させていく作業を「煎糖」と言い、一番初めに煎糖されたものは一番糖となります。
こちらの一番糖をとった際にできる一番蜜をさらに煎糖させて二番糖へ、同じ作業を行っていき三、四、五、六番糖と回数を重ねるごとに数字が増えていきます。

用途によって煎糖の回数は変わってきますが、最後は六番糖までとなります。

 

■加工糖■

グラニュー糖などをさまざまな形に加工したものです。
グラニュー糖に少量の糖液を混ぜて型にとり、形成したものが「角砂糖」です。

濃いショ糖液の中に結晶の種となる糖を加え、時間をかけてじっくりと結晶を大きく成長させる「氷砂糖」などがあります。

アイシングに用いられる「粉糖」もこの加工糖の一種です。
グラニュー糖を粉砕して作られる粉状の砂糖になり、固まらないようデンプンやオリゴ糖などが添加されています。

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■Lesson4-1 まとめ■
・含蜜糖・・・サトウキビなどの繊維を圧搾して取り出した液体を、そのまま煮詰めて固めたもの。
・分蜜糖・・・搾り取った糖液を煮詰めてショ糖を結晶化させ、その結晶をとりだしたもの。
・ざらめ糖・・・サトウキビなどから作られた原料糖を溶かして、清浄・脱色・ろ過してつくられる結晶状の砂糖。
・車糖・・・ざらめ糖よりもさらに結晶が細かい砂糖。
・加工糖・・・グラニュー糖などをさまざまに加工したもの。